なぜ肌はこんなに敏感?

多くの女性が、いつまでも美しい肌であり続けたいと望んでいます。

なかでも、どの年齢にも関わらず気になるのが顔周りの「肌」です。

しかし肌(医学的には皮膚)は、顔だけでなく首や足先まですべてがつながっており、体重の6~7%をも占めるともいわれています。

実は肌は、胃や腸、そして脳よりもはるかに大きい、ヒトが持つ最大の臓器(器官)なのです。

ヒト一人分の皮膚をつなぎ合わせると、その面積は畳1畳分ほどの広さになります。

この最大の臓器。

一番の特徴として挙げられるのが、外部からの刺激に非常に敏感であるということです。

手や顔だけでなく、体を覆う皮膚全体が触れたものの感触や温度などを非常に繊細に感じ取ります。

どうして肌はこんなにも敏感なのでしょうか。

それは肌が自分自身を外界からのストレスから守る、最も重要な存在だからです。

哲学的に表現するならば「肌は自分と外部との境」つまり「自他を分ける境界線」なのです。

恐怖や不安を感じると両手を握りしめたり、胸に手を当ててみたり、両腕を自分で抱きかかえたりする人が多くいます。

これは自分で自分の肌に触れて、肌の柔らかさや温かさをチェックし、安心するための行為です。

友人や恋人とお化け屋敷に入ったときに、思わず抱き合ったり、相手の手を握りたくなったりすると思います。

自分では処理できない激しい恐怖を感じたときには、私たちは誰かの肌に触れて温もりを感じ、自分が一人でないことを確認し、孤独ではない、危険ではないと安心したくなるのです。

肌は自分以外のものに触れることで、どんな物体であるか判断する、目や耳、口と同じような感覚器でもあります。

脳の神経と密接につながっていて、肌が触れて感じた情報を脳に伝達して、近づくべきか離れるべきかを即座に判断しているのです。

肌が触れて気持ちいいと感じれば、もっと触ろうと動きますし、痛みや熱などの危険な刺激を感じれば、それ以上触らないように脳が指令を出します。

一般的にフワフワした犬や猫の触り心地はとても気持ちがいいものですが、毒があり噛み付かれたら命の危険にさらされるヘビの感触は不快に感じます。

このように肌には自分を外敵から守るために、危険を察知する能力があるのです。

肌は生命の維持に欠かせない

肌には私たちの体温を一定に保つ働きもあります。

暑いと顔が赤くなり、汗が出てきます。

これは暑さで体温が上がり過ぎたときにまずは体表…つまり肌への血流を増やして熱を放出するために汗を分泌させようとしているためです。

その汗が蒸発するときに気化熱で肌の表面温度が下がるのを利用して、体温を下げているのです。

それとは逆に、寒いときに肌が青白くなるのは、肌への血流を少なくして、体の熱が外に逃げないようにするためで、寒さで震えるのは、震えることで筋肉を使って、熱を発生させて体温を上げようとしているのです。

肌の表面から出てくる汗には、体内の余分な物質や水分、老廃物を排出する役割もあります。

その逆の役割として、肌はさまざまな物質・成分を吸収する働きも持っています。

薬にも、肌に直接塗ったり貼り付けて使うものがありますが、これは肌が薬の成分を浸透・吸収する力を応用したものです。

スキンケア化粧品も、肌の浸透力を研究し、なるべく効率よく肌の中に美肌成分が入り込めるように開発が進んでいます。