基礎化粧品は麻薬と同じ

どんなスキンケアでもすべての人を100パーセント満足させることは不可能です。

私のすすめるスキンケアも試してみたけど自分には合わないからと、途中でやめてしまう患者さんは少なくありません。

そういう患者さんたちは、肌が乾燥しているため、毎日何らかの成分を皮膚にぬりつづけていないと、肌の調子が保てず、悪化しているように感じられるので、化粧品がやめられないのです。

クリームや美容液などの基礎化粧品をぬると、当然つややかで、しっとりした感触になりますから、かなり乾燥した肌でも、絶好調の肌と錯覚させられます。

基礎化粧品には、肌を健康にみせる強力な薬のような効果があるのです。

そのため基礎化粧品をつけるのをやめれば、洗顔後すぐに肌がつっぱり、粉をふき、ひび割れしそうになってしまいます。

そこで、あわててクリームや美容液をつける。

すると、あら不思議、うるおいのある、ぷりぷりの肌に早変わりです!

基礎化粧品をつけずにはいられない肌になっているのです。

これはもう、アルコール依存症ならぬ「基礎化粧品依存症」です。

極度に乾燥した肌を、基礎化粧品という麻薬でごまかさざるをえないのですから。

このような女性の肌は肉眼では一見、健康そうですが、マイクロスコープでほおの皮膚を拡大して調べると、ほとんど例外なく、肌の表面のキメは浅くなって、鉛筆で描いたような線になっていたり、消失したりしています。

それだけではありません。

毛穴が赤く炎症を起こしていたり、炎症後の色素沈着を起こして茶色くなっています。

顔全体が赤くなれば、今つけている基礎化粧品が肌に合わなくて皮膚炎を起こしていることがわかるのですが、そこまで強烈な反応を起こさない、軽度の皮膚炎では、毛穴をマイクロスコープで観察しなければわかりません。

しかし、このような軽度の炎症や乾燥でも、毎日つけつづけていると慢性化して、しだいに重症の乾燥肌、敏感肌に発展し、ひいては、赤ら顔からニキビ、くすみ、シミ、小ジワ、大ジワへとどんどん肌が老化していき、ますます化粧品に頼らずにはいられなくなるというわけです。

1日も早く化粧品を断つべきです。

スペシャルケアもやり過ぎると美肌のためには考えもの?

結婚式など特別な日を前に、たとえば、ピーリングやパックといったスペシャルケアを加えてケアをおこなえば、いつもよりもいっそう肌が美しくみえるでしょう。

しかし、それはたまにするからいいのであって、毎日続けたら皮膚の状態は悪化してしまいます。

基礎化粧品も同じです。

毎日、最大限美しくみえるようにぬりつづけていたら、肌はしだいに健康ではいられなくなります。

そして、肌が不健康になると、やめることができなくなり、基礎化粧品でカモフラージュしつづけなければならなくなります。

皮膚にぬっていれば、美肌にみえて、とても気持ちよく生活できるのが基礎化粧品です。

ところが、それらはときとして、アルコール依存症や麻薬患者と同じような状態を引きおこすのです。