水は肌に悪い!?ぬれた手を拭きたくなるのはなぜ?

水が肌によくないといったら、意外に思うかもしれません。
雑誌やテレビ、化粧品のカウンターなどでは、「肌の保湿には水分補給が大切」と、さかんに説明しています。
でも、水が肌によくない証拠は、ふだんの生活習慣の中にあります。
私たちは、日頃、手や顔に水がついたらどうするでしょうか?無意識に、すぐ拭いてしまうのではないでしょうか?肌によいものなら、誰もが徹底して拭きたくなるはずがありません。
また、水を外から補って、肌がみずみずしくなるのなら、顔を洗ったあとや湯上がりに、水分をすぐに拭きとらないでそのままにしておけばよいはずです。
「洗顔後は水を拭きとる前に2分間のうるおいタイムをおきましょう」などという美容習慣がどこかにあってもよさそうなものです。
でも、そのような美容法は世界のどこにも聞いたことがありません。
なぜか?皮膚についた水は皮膚をこわすからです。
皮膚には体内の水分の蒸発を防ぎ、かつ、外部からの化学物質や異物の侵入を防ぐバリアとしての機能があります。
そのような習慣や美容法を続ければ、この肌のバリアが確実に破壊されてしまいます。
人はそのことを本能的に知っている。
だから、手や顔についた水をすぐに拭こうとするのだと思います。

肌のバリアをこわす化粧水

たしかに香粧品学(化粧品やへアケア製品などを研究する学問)の教科書には、化粧水の役割は皮膚に水分を供給して保湿することとありますし、化粧品会社もそう説明して販売しています。
けれども、化粧水にも水にも、肌をうるおす効果はありません。
それどころか、肌をかえって乾燥させてしまいます。
というのも、水は皮膚の表面をこわしますし、化粧水も約9割が水でできているからです。
では、水は皮膚の表面をどのようにこわすのでしょう?
皮膚自身がつくりだしている自家保湿因子のひとつ、天然保湿因子は、真水などとはまったく異なり、さまざまな種類のアミノ酸やたんぱく質の分子が結合していたり、電解質の形で存在したりしています。
だからこそ、肌をうるおすことができ、また、皮膚の中の水分も蒸発しないですむのです。
ところが、化粧水などに含まれるのはただの水ですから、肌をうるおすこともできないし、時間がたてば、その水はかならず蒸発します。
そして、皮膚の上の水が蒸発すると、ちょうど、ぬれた新聞紙が乾いたときに、ごわごわになってめくれあがるように、最上部の角質細胞の端がめくれあがったり、浮きあがったりします。
つまり、肌についた水は皮膚の表面をこわすというわけです。
肌の最上部の角質細胞がめくれあがった状態では、皮膚の中の水分は、その隙聞からどんどん蒸発しますので、肌は乾燥します。
化粧水という水は肌をうるおわせることができないばかりか、反対に肌を乾燥させてしまうのです。
「でも、化粧水には水以外にも、ヒアルロン酸などの保湿成分が入っているから、肌はうるおうはず」。
化粧品に少しくわしい女性なら、そう思われるかもしれません。
しかし、これも大いなる誤解なのです
化粧水の約9割は水でできていますが、防腐剤や香りの成分、さらに、最近の保湿化粧水ではヒアルロン酸やコラーゲンなどの、いわゆる保湿成分なるものが含まれています。
では、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの「保湿成分」が配合されていれば、肌はうるおうのでしょうか?残念ながら、水だけよりもさらに乾燥させてしまいます。
化粧水の水は肌につけても、いずれ蒸発します。
そこで、ヒアルロン酸やコラーゲンを入れてとろみをつけることで、水の蒸発を少しでも遅らせようというのが保湿化粧水です。
ところが、水分が肌に長くとどまれば、それだけ多くの水分が皮膚の表面に吸着し、そうなれば当然、蒸発する水分の量も増えます。
たくさんの水がいっぺんに蒸発すれば、わずかな水が蒸発していくよりも、肌の乾燥はいっそうはげしくなるのです。
角質細胞の変形が大きくなり、バリアの破壊も大きくなります。
それだけならまだしも、水分が蒸発したあと、ヒアルロン酸もコラーゲンも粉体として肌に残ります。
そして、その粉体がさらに肌を乾燥させますから始末におえません。
どういうことかというと、ヒアルロン酸もコラーゲンも固体です。
化粧品の原料として使う場合は、粉末にします。この粉末を化粧水にとかしこんで、とろんとした液体をつくっているのです。
水に片栗粉を入れて、とろみをつけるのと同じようなものです。
とろみをつけたって、水はいずれ蒸発します。皮膚につけて1~2時間もたてば、水がほとんど蒸発して、ヒアルロン酸もコラーゲンももとの粉末にもどってしまいます。
粉末は、水分を蒸発させやすくする性質があるので、皮膚の表面にわずかに残った化粧水の水の蒸発を加速させ、しまいには皮膚の水分まで吸いあげるようになるのです。
つまり、ヒアルロン酸やコラーゲンといった保湿成分なるものは、化粧水にとろみをもたらして水分を肌の上により長くとどめる害と、そして、その水分が蒸発したあとに粉末にもどって肌に残る害との、いわば二段構えで肌を乾燥させるのです