紫外線はある程度必要です

最近では夏ともなると、多くの女性たちはゴミを出すわずかな時間でも日焼け止めをぬり、外出するときには日焼け止めはもちろん、紫外線カット加工された布のカバーで腕から手の甲まで隠して、とにかく徹底的に紫外線を排除しています。

これでは、暗い穴倉に閉じ込められているようなものです。

はたして、紫外線をそこまで目の敵にしなければならないのでしょうか?

紫外線がシミをはじめ肌の老化の原因になることはたしかです。

けれど、そのいっぽうで、ある程度は体に必要でもあります。

何よりも重要なのは、紫外線がビタミンDをつくっていることです。

ビタミンDはカルシウムとともに、骨をつくるのになくてはならない栄養素です。

最近は若返りのビタミンとしても知られています。

日焼け止めをぬって紫外線にほとんどあたらない生活をしていては、骨はもろくなるばかりです。

実際、全身をマントのような服でおおい、ヴェールで顔を隠して生活をしているアラブの女性たちは、紫外線をほとんど浴びないために60歳、70歳になると、骨粗鬆症にかかる率がとても高く、問題になっています。

それでなくても、女性は閉経後、エストロゲンという女性ホルモンが急激に減少して、カルシウムが減ってしまうため、男性にくらべるとずっと骨粗鬆症にかかりやすくなります。

骨粗鬆症を予防するためにも、女性はとくにある程度の紫外線を浴びる必要があるのです。

また、紫外線は地上に届くさまざまな波長の太陽光線のごく一部です。

地球上にはほかにも、波長のちがうさまざまな光線がふりそそいでいます。

その中にはシミをとるレーザーなどに使われている波長と同じ光線も含まれています。

しかも、レーザー以上の効果をもつ光線さえ地球上に届いているかもしれないのです。

シミをレーザーで治療しても、完全には消せなくて、どうしてもうっすらと色素が残ってしまうことがあります。
ところが、そういう患者さんでも夏にまっ黒に日焼けしたあと、その色がさめたら、シミもきれいさっぱり消えたというケースも、私は数例みてきました。

その経験から、太陽光線には現在のレーザー以上にシミをとる効果の高い波長の光が含まれている可能性があると考えているのです。

日焼け止めは紫外線より怖い!?

紫外線といえば、日焼け止めです。

日焼け止めにはたしかに有害な紫外線をカットする効果があります。

ところが、弊害もあるのです。

ほとんどの日焼け止めは、界面活性剤が入ったクリーム状なので、バリア機能を破壊して肌を乾燥させ、さらに、炎症を起こさせる点では、他のクリームと同じです。

また、紫外線吸収剤の入っている日焼け止めでは、紫外線にあたると、吸収剤が刺激のある有害な成分に変化して、炎症を起こしたりするのです。

もちろん、日焼け止めをつけるときにこすりますし、これを落とすときにまたこすります。

いつもこすっていると炎症とメラニン増加によって、シミをつくり、肌をくすませもします。

これではかえって肌へのダメージが大きくなります。

日焼け止めをつけるかどうか判断するには、このような弊害と効果のかねあいを考えなければならないのです。

紫外線の研究者の方々にたずねてみると、みなさん、「日本人の場合、15分以上あたるなら、日焼け止めをつけたほうがいいけれど、それ以下なら、つけないほうが肌のためにはよいと思う」と口をそろえておっしゃいます。

たとえば、駅から10分も歩けば会社に着く距離なら、保湿バリアをこわしてまで、日焼け止めをぬる必要などありません。

わざわざ肌を傷めているようなものです。

短時間でも紫外線を浴びるのが不安というなら、帽子や日傘でガードすればよいのです。

紫外線と皮膚ガンとの関係もとりざたされています。

でも、私たち黄色人種の肌は、白人とちがって皮膚ガンは多くありません。

白人のデータを鵜呑みにして、日焼け止めを必要以上にぬることは、肌を乾燥させ、慢性的なダメージを与えてしまいます。